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2013年9月10日版
- 45 給与水準と人材
- 46 課長の役割
- 47 組織の悪循環
- 48 豊かさの指標
[45]給与水準と人材
従業員の給与の高さによって、集まる人材のレベルは決まるものでしょうか?
1.平均230万円
これまで繰り返し議論してきました。つい最近も熱い話し合いとなりました。同じエリアで、ご同業で採用活動を展開すれば、採用条件のいい会社に応募が集まります。しかし、相場内の水準であれば、給与以外の魅力がないといい人材を確保することが困難となります。
現実は面白いもので、平均年収230万円でも、トップクラスの人材を集めている企業があります。
2.トップクラスの人材
マスコミの中でも、テレビ業界は、トップ水準の給与が出されています。国内最高の待遇でしょう。名実ともビジネスエリートの集団です。就職をめざせば激戦区です。ただし、成長性は厳しいものが予測されています。
一方、給与水準はさほどでないのに優秀な人材が集まっているのが、保育の業界です。最も条件のよくない業界の一つです。仕事の重要性と彼女達の使命感からすると、この落差は放置しがたいものがあります。
待遇の大小にかかわらず、仕事本来の魅力と喜びが毎日の激務を支えているようです。
[46]課長の役割
課長が本来何をすべきか、彼らは何も分かっていない。どうしたらいいでしょうか?
1.優秀だが…
80年以上の社歴がある印刷業での出来事です。役員の方が期待して引上げた今年の幹部人材です。それぞれに優秀な実績を上げて来ました。トップ層の世代交代が一気に進んだため、営業と生産の管理職が大幅な刷新となりました。
今年の新任管理者は、特に予算管理と部下指導の面で、前任者の補佐業務や代理業務をしないまま、抜てき登用したメンバーが多く、どう動いていいか分かりません。
教えないものはできません。経験値も足りません。個人として優秀でも、管理職として見られると別ものです。
2.実力管理者として
プレーヤーとして優秀な人達なので、すぐマスターするはずです。めざすものは、プレーイングマネジャーとレッスンプロの勉強です。幸いリ―ダー適性の高いメンバーでしたので、急速に進歩しています。
社内版の予算管理を集中講義。実力管理者の講座も5カ月かけてレッスンしました。
今、最終回の宿題を熱心に作成しており、社長も目を細められています。
[47]組織の悪循環
引継ぎがうまくいかず、退職者があとを断たない部署があるが、どうしたらいいですか?
1.悪循環?
特定の部署の役職者が役員と対立して退職。その後、会社は優れた後任者を何人も送り込んだのですが、定着せず困っています。負の体質を引きずっています。
その部署は、語学が必要な部署とか、専門の技術や資格が必要な部署で、他の部門の者には手が出せず、混乱が収まりません。このような相談が多くあります。
2.強いリーダーシップ
引継ぎで悪循環を感じ始めたら、非常措置の決断が必要です。組織管理上は、非常事態ととらえます。そして、緊急シフトを考えます。
病院や老健でも、院長より権限を持った管理者を置きます。専門技術を必要とする部署でも、その専門の課長の上に、門外の強力な部長を配置します。語学ができなくても、強力な部長を海外営業部担当に据えます。
課長クラスが問題なら部長に、部長クラスが問題なら担当役員を。一クラス上に強力な管理者を配置します。
上位の管理者には、収まるまで、その部署のマネジメントに注力してもらいます。リーダーシップがあれば、その方が解決が早いようです。
[48]豊かさと指標
日本の将来の経済予測で悲観論が飛びかっていることをどう評価されますか?
1.豊かさの指標
国の経済予測の話になると悲観論が耳をおおいたくなるほど、声高に唱えられています。日本は、衰退国家であると断言する国まで出てきました。
豊かさの指標を何に求めるかが重要です。国民一人当りGDPで見ると現在もトップ水準にあるし、将来も米国とそう見劣りしないでしょう。「豊かで長生きできる国」という日本のすばらしさは、もっと評価されていい点でしょう。
ただし、国家のGDPの大きさ、人口の多さという点では、中国、やがてはインドが台頭しています。
2.恐るべきインド
成長するアジアの中でも、特にインドは、人口が12億人を超え、巨大な急成長国家となっています。いわゆる社会資本の整備は遅れています。鉄道網、道路網、電気、水道、下水等のハード面は、やるべきことが沢山あります。
ソフト面でも、近代化が遅れており、階級制度や格差対策があります。問題山積ではありますが、彼らには、日本が失いかけているたくましさと力強さ、そして、将来への大きな夢が満ち満ちています。