<前のレポート | |レポート一覧| | 次のレポート> |
2022年2月10日版
大丈夫ですか?そのジョブ型雇用で。
″ジョブ型雇用≠ニ″ジョブグレード制度
2022年の春の労使交渉が始まりました。
この春、注目されているのが、「ジョブ型雇用」と「ジョブ型賃金」です。
大丈夫ですか?そのやり方で。
これまでも、「職能等級」、「役割等級」、「役割給」、「業績給」と改革が進められたはずですが、今は、「ジョブ型雇用」で「ジョブ型給」が望ましいと論じられています。この方々は、そもそも、「生活給思想」を大事にしてきたグループの会社といえそうです。一方に、「仕事給思想」のグループがあります。
このたびは、2つのグループの考え方の一端を見てみましょう。
日本の人事制度の基本となる等級制度のちがいを分かりやすくまとめたものが、次の表です。
「職能等級制度」→「役割等級制度」→「職務等級制度」へ。 というのがジョブ型論のベースにあるようです。
等級制度の比較まとめ
職能等級制度 | 職務等級制度 | 役割等級制度 | |
---|---|---|---|
英語名称 | アビリティ・グレード | ジョブ・グレード | ミッション・グレード |
紐づくもの | その人 | その仕事 | その役割 |
育成タイプ | ゼネラリスト | スペシャリスト | 基本はスペシャリストだが横断的な役割も出てくる |
人件費 | 年功・勤続要素がたかいため、年々高くなっていく傾向 | 職務で決まっているため毎年変動することはあまいない | 左記2タイプの中間程度 |
異動・ 配置転換 |
給与が変わらないため比較的やりやすい | 職務に対しての専門性が強いため難しい | 左記2タイプの中間程度 (給与の設定次第) |
メリット |
|
|
|
デメリット |
|
|
|
ブロードバンドのジョブグレード制度(大ぐくりの職務等級制度)
英語名称 | ブロードバンド型 ジョブグレード |
---|---|
紐づくもの | 職務と職責 |
育成タイプ | ゼネラリストとスペシャリスト |
人件費 | 定時改定、定期昇給を実施しても、平均賃金は上昇しない。 (定昇原資不要論が成り立つ。) |
異動・ 配置転換 |
配置転換の中で、総合職の幹部育成が可能。 専門職も育成可能。一般職は、勤務地限定あり。 |
メリット |
|
デメリット |
|
※broad band = 大容量の広い幅、広い幅、大ぐくり。
一方の「仕事給思想」のグループで考えてきたのが、この「大ぐくりの職務等級制度」です。ブロードバンドのジョブグレード制度で、日本版のジョブグレード制度だよねと評されてきました。
賃金総研は、この大ぐくりの職務等級制度を平成元年以来、提唱、提案してきました。
◎連絡先
株式会社 賃金システム総合研究所
賃金総研 社労士法人
Mail:css@chinginsoken.co.jp