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2012年12月10日版
- E人材強化策
- F採用選考のカギ
- G管理職の登用
- H尊敬する経営者
- I逆指名の出向
E人材強化策
図面の読めるセールスエンジニアを重点強化したいが、いい手はないですか?
このような営業強化の方法を尋ねられることが多くなりました。
営業人材は、拡大志向の強い経営者にとって、ノドから手が出る程欲しい人材です。内部育成が可能ならそれがベストです。
内部育成が間に合わなければ、中途採用での補充が不可欠です。中途採用は当たりハズレが大きく、リスクも大です。
おすすめはスカウトです。ただし、成功の条件があります。
○スカウト成功の条件
- トップが熱望
- 社内人脈も最大限活用
- 社内異動が困難
- 関係幹部が支持
- 育成環境ができる。
- 処遇が調整できる。
- 本人が仕事熱心
- 本人が社風に合う。
これらの環境づくりが不可欠です。輸入人事は、その人が社内に活着(かっちゃく)するまで、トラブルはつきものです。その時にトップの強力な支援が必要です。その支援がないと、せっかく採用した人材が、古い体質にハジキ出される危険性が高くなります。その人が活着するための努力を惜しむようでは、スカウトの成功は困難となります。
F採用選考のカギ
「いい人材」をとるため、採用時に注意すべきことがあれば教えてください。
採用は、人物重視と面接重視で進める会社が多いようです。問題は、その中身です。長い実務の経験から、気になることをコメントします。
近年は、選考ツールが進化してきて、利用しやすくなりました。最終選考までに、キュービックか、リクルートのSPIで、本人の行動特性を見ておくことをお勧めします。
(1)達成意欲(目標の高さ)
(2)勤労意欲(仕事をやり切る意欲)
この2つが低いと好人物でも採用してから苦労します。少々教育しても直りません。
次の人たちも要注意です。
○要注意事項
- 誤字脱字の多い人
- 2〜3年おきに転職する人
- メンタル不全の人
- Q&Aでかみ合わない人
- 意欲のない人
わが社で通用するか? わが業界でモノになるか? 多少、学歴や職歴がいいと気になることがあります。「迷ったらとるな!」というのが、人事の鉄則です。
迷いながら採用すると、その不安が適中するものです。わが業界で役立つ「適性と能力」を見極めて参りましょう。
G管理職の登用
組織変更を検討中ですが、管理職を登用する際の注意点があれば教えてください。
管理職であるリーダーが十分実績を上げるためには、いくつかの条件があります。一つは、本人にリーダー適性があることです。もう一つは、本人と部下との組み合わせが適切であること。つまり、マッチングがいいことです。リーダーにも色んなタイプがあります。
リーダーのタイプと強み
- (1)開拓型
- 率先垂範
- (2)リーダー型
- 役割行動
- (3)管理型
- 問題分析
- (4)アンカー型
- 確認徹底
一般に、コンピテンシーと呼んでいます。最近の管理者は管理型かアンカー型が成功しやすくなりました。産業界の環境変化が著しく、どの産業も、成熟期か衰退期にかかろうとしています。この環境変化がリーダーの条件にも大きく影響してきたわけです。
リーダーとサブリーダーの組み合わせがいいと、組織力が格段に強化されます。ベストの組み合わせは、相反するタイプの組み合わせです。部長と課長、課長と係長が真反対のタイプだと最強の編成となります。(相互補完)
(1)管理型と開拓型
(2)アンカー型とリーダー型
その逆も同じです。 ご検討ください。
H尊敬する経営者
私は、京セラの稲盛和夫名誉会長を尊敬していますが、あなたはどんな経営者を尊敬されますか?
ここ数年、同じような質問を受けることがあります。個人的には、ホンダの本田宗一郎氏と藤澤武夫氏のペアに最も魅力を感じます。特に、藤澤さんは、最高のNO2の生き方として尊敬しています。新入社員教育でも、よく紹介しています。
現役の経営者については、3期6年以上、陣頭指揮を取られた社長には、皆さんに敬意を表しています。
その中に、前期まで18年連続、増収増益を達成された24時間スーパーの社長がおられます。そこには、一貫したブレない方針があります。
○ブレない方針
- お客様満足度一番店づくり
- 従業員の幸せづくり人づくり
- 成長発展のため利益を確保する
そのためには、全店のスクラップ&ビルドをいとわない。トップ以下の幹部と担当者が 全力投球で、仕入れの低コスト化と業態変更に成功しました。徹底することのスゴさを見せつけてきました。後発の弱小企業を、上場企業へと発展させたこのような経営者を心から尊敬しています。
I逆指名の出向
業績が頭打ちであり、将来対策の絵(シナリオ)の描ける人材が欲しい。ぜひ紹介してくれませんか?
このような依頼を受けることが多くなりました。できれば営業部か営業企画を強化したいと言われます。経営者の焦りと苦しみを感じます。
この会社では、取引先から人材を出向してもらうことで大きな活路を開くことができました。
目をつけていた2人の方を名指しで移籍出向をお願いしたのです。社長が取引先の担当本部長にお願いして、当時の課長と主任を名指しでお願いしたのです。
「6ヵ月時間をくれませんか?」、「考えてみます。」という回答でした。「グループの強化に役立つことになれば考えてみましょう」ということで、担当専務の本部長が本気で、この難題を受けてくれることになりました。
その後、移籍出向が実現し、2人の人材を受け入れることになりました。主任→課長→ 部長→常務と、この10年足らずで、若かった主任が、今は常務として大活躍しています。
コストと精度では、どこにも負けないという精密金型のメーカーです。今も高い収益を出すことに成功しています。